夢の記憶
「間一髪、間に合いましたね。
 みんなを助けられてよかったです。」

 翔鯨丸に戻った大神を待っていたのは、いつもと変わらぬさくらの笑顔だった・・・。

 六破星降魔陣の発動に呼応するかのように、突如意識を失ったさくら。
 彼女を除く五人の仲間と共に、黒之巣会の本拠地へと乗り込んだ大神ではあったが、そこに待っていたのは黒之巣死天王最後の一人”黒き叉丹”の仕組んだ巧妙な罠であった。
 圧倒的な戦力差の前に、脱出することもままならない花組。その窮地を救ったのは翔鯨丸と、さくらの駆る光武だった。
 そして今、大神は翔鯨丸のブリッヂでさくらと向かい合っていた。

「さくらくん・・・もう体の具合はいいのかい?」

「はい! ご心配をお掛けしましたけど、もう大丈夫です。」

「そうか・・・良かったよ。」

 その言葉と表情が、大神がどれだけさくらの事を気遣っていたのかを、何よりも雄弁に物語っていた。
 だが、さくらの無事を祝いながらも、大神にはどうしても納得できない謎があった。

「さくらくん。君はさっき確かに、『ここは敵の本拠地じゃない』って言ったよね?
 どうして分かったんだい?」

 大神の問いかけにさくらは目を閉じながら、ゆっくりと・・・まるで記憶の一つ一つを噛みしめるように答えた。

「大神さん・・・わたし夢を見たんです。」

「夢・・・?」

「はい・・・。
 大神さんがいて、紅蘭がいて、マリアさんにすみれさん、アイリスやカンナさんがいて、それに・・・。」

 なおも言葉を続けようとするさくらの唇を、大神の指がそっと押さえた・・・。

「さくらくん・・・。
 夢だ・・・それは夢だよ・・・。」

「・・・大神さん・・・。」

「・・・・・・・・・・・・・・・・。」

「・・・・・・・・・・・・・・・・。」

 静かに見つめあう二人の唇が、徐々に近づいていく・・・。

「ゴホンッ!!」

「「!?」」

 突然の物音に慌てて大神が振り返ると・・・。

「少尉〜〜〜っ!!」

「さくら〜〜〜っ!!」

「二人ともなにやってんねん・・・。」

「ったく、この大変な時によ!!」

「・・・それでもあなたは花組の隊長ですか!!」

 怒りに震えるすみれ達がいた。

「い、いや。これは・・・その。
 誤解・・・そう誤解なんだっ。」

「「「「「問答無用っ!!」」」」」

「うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

おしまい

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

さて、今回のこれは「高橋風」「押井風」どっちに分類されるんでしょう。(笑)(相変わらず古いネタ・・・。(^^;)
それ以前に、100P記念の書き込みがこんなんでいいんか、俺?(爆)

ではまた。
まいどぉさんのSS目次へ
書棚TOPへ
メインページへ戻る