「訪れ来る者」
「う・・・・・・・。」

 暗闇の中、葵叉丹は意識を取り戻した。
 それはあまりに不合理な、非常識きわまりない出来事だった。

『空中戦艦ミカサ』

 八千メートルを優に越えるそれが、自身を巨大な槍と化して突っ込んでこようとは・・・。
 まともな神経の持ち主ならとうてい考え付かない、いや、考えたとしても実行するはずのない暴挙だった。
 だが・・・

(フ・・・。米田らしい・・・な。)

 ミカサの総指揮をとっているはずの男の顔を思い浮かべた時、奴ならやりかねない・・・そうも思う。
 かつて帝都のため共に戦った男。
 とぼけた外見の裏側に、誰よりも熱く激しく燃える心があることを今更ながらに思い出す。

(フフ・・・私としたことが・・・。奴の性格を読み違えるとは・・・な。)

 既に手駒の全ては失われた。
 黄昏の三騎士・・・。殺女・・・。神威・・・。
 最後の切り札、霊子砲もミカサとともに瓦礫と化した。
 そして今、叉丹自身の命も尽きようとしている。
 だがそれでもなお、彼の内にたぎる怒りは収まろうとはしなかった。

「まだだ・・・まだ終わらん!! 虚飾に満ちたこの街を破壊しつくすまで・・・俺はまだ死なんっ!!」

ドクン・・・!!

「・・・!? な、何だ・・・!?
 う・・・うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!?」

 まるで叉丹の憎悪に呼応するかのように、魂の奥深いところから冥い力が沸き上がる。
 その力は血液を伝って細胞組織を変化させ、皮膚を特殊なプロテクターに変える!
 筋肉、骨格、腱に強力なパワーを与えるッ!

「おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉッ!!」

 叉丹は知らなかった。
 藤枝あやめがそうであったように、自らの胎内にも魔界の種子が宿っていたことをッ!!
 魂に寄生した”それ”は、宿主である葵叉丹を生命の危険から守るべく、無敵の肉体に変身させるのだッ!!
 これがッ!!

『魔王武装化現象(マオー・アームド・フェノメノン)』だッ!!

「ウオォォォォォォォォォォォォォムッ!! バルバルバルッ!!」

ズッギャアァァァァァァァァァァァァン!!

おしまひ

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え〜と、今回は「推奨年齢20才以上」ぐらいでしょうか。(笑)
すでに亜空間に消えたページで、塵都さんか董月さんのどちらかが(すみません覚えてなくて)「荒木○呂彦風サクラ」をやってらしたのですが、作品が違っているということでやってしまいました。(^^;

「あの」ポーズを決めたサタンを想像して頂ければ幸いです。
では。
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