黒鬼会定例集会・その5
「では、これより黒鬼会定例集会を始める。」

黒鬼会ひみつ基地の第1会議室に、またまた京極慶吾の声が響く。

「さて、前回の臨時集会で、レニが我々の仲間になった訳だが……」

「詳しくは78ページの『その4』を参照、ですな。」

ああっ、何と言う運命の悪戯!その4を取りこぼしてしまっております!(TT)
お持ちの方が居たら送ってください!(切望)


「……鬼王、何のことだ、それは?」

「いえ、気になさらずに。」

「?…………」

納得のいかない表情を浮かべながらも、京極はとりあえず話を続ける。

「あ〜、仲間になった訳だが……そのことで、水狐から何か提案があるそうだ。……水狐!」

「はっ。……実は、我々五行衆のことなのですが、レニだけ仲間はずれでは可哀相かと……」

「入れてやりゃあいいじゃねえか、五行衆によ。筆頭の俺が許可するぜ。」

金剛が口をはさむ。

「……入れてやるのはいいんだけどさ、メンバーが6人になったら、『五行衆』じゃなくなっちゃうんじゃないのかい?」

こちらは土蜘蛛の冷静な意見である。

「……う〜ん、それもそうだな。じゃ、どうするんだよ?」

「そこよ、あたしが考えたのは。要するに、1人増えた分、1人減らせばいいのよ。……5足す1引く1、ってことね。……」

「……こ、答は3か?」

「……金剛、あなたは黙ってなさい。……ということで、京極さま。五行衆から1人除名し、代わりにレニのことを『火車』と呼ぶことを提案いたします。」

「なんで私が除名されることに決定してるんですかあああぁぁっっ?!」

火車が絶叫する。

「いや、除名するならあんたしかいないかな、と思って。」

あっさりと答える水狐。

「……いかん! そのような『いじめ』を助長するようなことは、断じて許さんぞ!」

京極が一喝する。

「きょ、京極様! さすがはわかっていらっしゃる! もっと言ってやって下さい、もっと!! ……水狐、良〜く聞くんですよ。クックックッ……」

「……水狐、良く考えろ!! 『火車』などというあだ名を付けられたら、レニがいじめられるではないか!」

「!!……た、確かに! ……申し訳ございません、京極さま。この水狐、おのれの不明を恥じます……」

「確かに『火車』はまずいよな、『火車』は。」

「ああ。そんなあだ名を付けられたら、あたしなら耐えられないね。」

「………いっ、いいんだ、いいんだ、どうせ私なんて………」

火車は部屋の隅に行き、膝を抱えて床の上に座り込むと、口笛で『イカルスの星』を吹き始めた。

……もちろん、そんな火車を無視して会議は続く。

「ふぉっ、ふぉっ、ふぉっ。となると、『五行衆』という名前を変えたほうがいいかも知れんのぉ。……どうじゃ、6人になるのなら、『六道衆』というのは?」

木喰が学のあるところを見せる。

「おおっ、なんかカッコイイじゃねえか!」

「ふぉっふぉっふぉっ、そうじゃろ、そうじゃろ。ワシの計算にくるいはない。……そこでじゃ、『六道衆』と名乗る以上、我らの通り名も『六道』に合わせて変えようと思うんじゃ。」

「と、言うと?」

「うむ。具体的に言うとじゃな、
 ワシは『地獄』、
 金剛は『餓鬼』、
 火車は『畜生』、
 土蜘蛛は『修羅』、
 水狐は『人間』、
 レニは『天上』、
……と改名するわけじゃな。」

「おい、ちょっと待て! なんで俺が『ガキ』なんだよ!!」

「いや、それはなんか合っている気がするけど……」

土蜘蛛が呟くと、他の面々も無言でうなずく。

「どこがだよ! せめて『ガキ大将』にしろよ!」

「何が『せめて』なんだか知らないけど、あなたはまだマシよ!」

今度は水狐が文句を言う。

「何なの、あたしの『人間』ってのは!! 飼い犬に『イヌ』って名前付けるようなもんじゃないの! 変よ、絶対ヘン!!」

「そ、そんなにヘンかな……」

人知れず落ち込むレニ。

「とにかく、その案は却下だ、却下!!」

「……金剛、私を差し置いて勝手に仕切るな!!」

つまらないことで怒る京極。意外とこういうことを気にするタイプらしい。

「まあまあ、京極様。ここはこの鬼王におまかせを。……どうだ、みんな。ここは一つ、この私も加えて7人として、『七曜衆』と名乗るというのは?」

「ほほう、つまり1週間の曜日になぞらえる訳じゃな。……
『火』から『土』までは揃っておるから、残るは『日』と『月』か。」

「それならレニは『月』だね、イメージ的に。……だけどさ、鬼王が『日』ってのは、なんか合ってないんじゃないかい?」

「何を言う。輝く太陽、楽しい日曜日、私のイメージにピッタリではないか。
……という訳で、みんな、これからは私のことを、『鬼王SUN』と呼んで欲しい。」

「なんじゃあ、そりゃああああぁぁぁっっ!!!」

ついに京極が爆発する。

「もう良い! お前らの話を聞いていると、頭痛がしてくるわ!! ……こういうことは、まず本人の意見を聞いてみるものだ。……レニ、お前はどう思うのだ?」

「ボ、ボクは……レニ、ただのレニでいい。……名前や肩書きがどうでも、みんなが……仲間、だってことはわかってるから……」

部屋中の人間から、ほうっ、とため息がもれた。

「ふぉっ、ふぉっ、ふぉっ。これはどうやら、レニに一本取られたようじゃの。……確かに、どんな名前を名乗ろうと、我らは仲間。それだけで十分じゃったのう。……」

「……どうやら一件落着ですな、京極様。では、レニも五行衆も、これまで通りの呼び名でいくということで。……まあ、それはそれとして、今後私のことは、『鬼王SUN』と気軽に呼んでください。」

「しつこぉぉぉぉいっっっ!!!」

……こうして今回の集会は無事に終了した。
なんだか野望とは全然関係ない議題だった気もするが、まあ良しとしよう。
負けるな! 我らの黒鬼会!
がんばれ! 僕らの京極慶吾!!

……そして火車! お前は特にがんばれ!!
とりあえず、いつまでもうずくまってちゃ駄目だ!



あとがき

前回、『次は番外編』『真面目な話になるかも』と予告しましたが、見事に変更になりました。
実は、最初の予定では、レニが花組に戻っちゃう話を書く予定だったんです(これは予測していた人もいるかも知れませんが)。

しかし、今回のネタが浮かんだので、あっさり気が変わってしまいました。

ま、春のすけあくろ〜の心は、乙女のように気まぐれだということで、ご容赦ください(なんじゃあ、そりゃああぁぁっっ!!)。

では!
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