1、勤務先を見ておきたいなぁ。


その後、陸軍士官に赴任先の劇場「シャノワール」に案内される事になった。
帝劇とはまた違ったイメージに当惑したが外見だけで判断は出来まい。そう思う大神であった。

「ここが、オレの新しい勤務先か・・・・・。」


どれくらいの期間になるだろう。
そう数ヶ月で帰れる任務ではないはずだ。
お膳立ても整っている。
とは言え、実務的にはかなりあやめさんに近い仕事になるだろう。
軌道に乗せて、かつ最終的には隊長を任命する所までは行くはずだ。
身が引き締まる思いに刈られながら玄関をくぐる。

『シャノワール』の中では、当たり前と言えば当たり前だが、洋装の紳士淑女があわただしく何事かを打ち合わせしている。
そんな中にまたもやオレンジ色のハッピを発見してしまったのだった。

「椿ちゃん!?」
「あ、大神さぁん♪」

任務とはシャノワールでの売り子教育だったのか。
なるほど、帝劇的な人情も持ちこむって事だったのか、と大神は思った。
椿ちゃんはまた、何かを復唱させようとしているところだった。

「大神さんも聞いててくださいね。」
「ああ、もちろんだとも!」

「復唱、行きます!いらっしゃいませぇ♪」
「ウイラッシャーマセ〜〜〜〜」
「もっと、軽やかに!」
「ウィラッシャイマセ〜〜〜」
「小さい「ぇ」を忘れないで!!」
「イラッシャイマセェ〜〜〜」


・・・何故日本語!?

「続いて行きます!ブロマイドは50銭で〜す」
「ブゥロマイドハァ50スェンデス〜」

・・・通貨違うじゃん!!

「どうでした?大神さん?」
「どど、どうって・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



・・・シャノワールにささやかな静寂が訪れた。
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